働くママが増えてきている昨今、保育園はもちろん、幼稚園でも保育部分の利用をしてお子さんを預けることは、避けては通れない道です。

でも、その施設ごとの違いや、メリットデメリット、気になる教育格差、費用の面の問題もありますし、お子さんにはどちらが合うのか、方針の違いなど、どちらに預けるのがいいのか迷いますよね。

 

この記事で、違いをしっかり確認していただき、お子さんにとって一番良い選択ができるようにしたいですね。

さっそくひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

保育園と幼稚園の違い

まず、共働きと言えば昔から保育園のイメージがあります。

 

保育園は、仕事や病気や学業などをして日中に保育ができない事情がある保護者の代わりに、保育をしてくれる場所です。

親の代わりに子どもたちを見てくれるところ、ということです。

 

根拠となる法律は児童福祉法で、厚生労働省の管轄となり、先生方は保育士資格が必要です。

 

年齢も、0歳から小学校入学前までのお子さんを預かってくれ、すぐに復職を考えているご家庭にも、非常にありがたい年齢設定になっています。

施設ごとに異なりますが、早いところでは生後2か月などでも預かってもらうことができます。

 

そもそも保護者が日中働いているなどの理由で預かってもらう前提のため、保育時間も朝7時から18時までなど、施設により多少の前後があるものの、仕事の後お迎えに行くまでの比較的長い時間利用することができます。

残業等に対応して、ほとんどの保育園でさらに1時間、2時間などの延長保育の制度があります。

 

後にまた触れますが、幼児教育無償化に伴い、3歳児以上は基本的には保育料はかかりませんが、0歳から2歳児までは保育料が発生します。

この保育料は、課税額によるランクが定められており、認可保育園では家庭ごとの収入によって保育料が違います。

 

無認可保育園では、認可園とは違い、一律の保育料が設定されていることが多いですが、兄弟姉妹の割引の制度があるところも多いようです。

認可保育園にもやはり、兄弟姉妹で割引の制度があり、同時に保育園に所属する間の保育料が第二子、第三子…と安くなるところがほとんどです。

割引なども自治体によって保育料の違いがあるので、必ずお住まいの自治体ではどのようになっているのかを確認しておきましょう。

 

保育園では基本的に給食があり、子どもたちはみんなで一緒に同じものを食べます。

この給食費は保育料には含まれず、無償化の対象とはならないので、別途保育園に支払うことになります。

 

お昼寝の時間が確保されていて、体を休めてから午後の活動に続いていきます。

 

 

次に、幼稚園はどうでしょうか。

 

幼稚園は、幼児教育の場であり、学校と同じ位置づけになります。

 

保育園とは違い、入園料が発生するところがほとんどで、毎月の保育料も収入による違いなどは無く、一定の金額が決められています。

 

3歳児以上、小学校入学前まで利用することができる施設であり、勉強したり運動したりすることで、子どもたちの心身の発達を促す目的があります。

 

保育が目的ではないので、専業主婦など保育可能な人が日中に家にいるご家庭でも利用することができます。

 

朝も9時などスタートの時間は保育園に比べると遅く、保護者が送っていくか、幼稚園バスで幼稚園に向かいます。

午前中の活動の後、みんなでお昼を食べ約4時間の活動後、朝と同じように保護者がお迎えに行くか、幼稚園バスで自宅近くまで乗せられて帰ってきます。

その後の保育を利用する場合は延長扱いとなり、時間単位で保育料が発生するので、別途保育料を支払うことになります。

 

お昼ごはんに関しても、家庭で用意したお弁当だったり、施設によっては給食を選択できるところや、何曜日は必ずお弁当などと決められているパターンなどもあり、給食が義務付けられていません。

学校教育法に基づいて、文部科学省が担当する分野になり、先生方も、幼稚園教諭免許を持っている必要があります。

どちらがいいのか

何を重視するのか

幼稚園と保育園の違いを見てきましたが、じゃあ結局、どちらに預けるのがいいの?と悩みますよね。

 

まず考えていただきたいのは、ご家庭でお子さんの何を重視するのかということです。

 

教育をしてもらって、小学校に入ってからも苦労しないようにしてほしいとか、受験を考えているから、幼児教育も力をいれたいと思っているなら、断然幼稚園でしょう。

 

逆に、お子さんには教育よりも、のびのび遊んでもらって、とにかく元気いっぱい、楽しく過ごしてほしいと思うなら、保育園のほうが合っているかもしれません。

もちろん、保育園であっても、幼児教育を取り入れた活動をしてくれるところもあれば、幼稚園であっても、スポーツに特化するなど、体操やダンスなどをたくさん活動に取り入れているところもあります。

 

同じ保育園同士、幼稚園同士でも、教育方針が違えば保育内容も全く違いますので、どちらを検討するにしても施設の見学はやはり必要不可欠です。

周りとの関係

私の住む地域では、幼稚園には専業主婦のママさんたちが多く、会話の内容も専業主婦らしいものです。

 

休日にたまたま子どもが近所の子どもたちと一緒に遊びたがり、ママさんたちと接触があったのですが、この前言ったカフェが良かったから、一緒にランチに行かない?とか、平日の日中にしか行けない習い事の話題など、正直、私にとってはどれも実現不可能なことだったので、少し疎外感を覚えました…。

 

もちろん、ママさんたちに悪気があったわけではないはずなので、そういう意味の嫌な気持ちではなく、ただ、フルタイムでなければ、子どもたちにももっと時間をとれるよな…という悔しさを感じるということです。

 

保育園では、フルタイムで仕事をしているパパママがほとんどですので、ママ友がうんぬんとか、ランチ会がどうのこうのとか、そういうイベントはほとんどありません。

朝と帰りに、おはようございます、さようなら、また明日~と、短いあいさつを交わす程度で、あまり深く関わったり、保育時間を超えて遊んだりすることも、相当仲良くならなければ、ほぼありません。

なぜなら、みな疲れて仕事から帰ってきて、早く家に帰りたい人がほとんどだからです。

 

お友達と駐車場まで一緒に歩いていくとか、玄関まで手をつないでいきたいとか、その程度のからみで済むので、この部分では楽だなと感じています。

あまりに園内でのからみが無いので、つい最近まで、家がすぐ近所だったことに気づかないまま過ごしていて、休日にばったり出会ってびっくり!ということもありました。

タイムスケジュールと、子どもと過ごす時間

幼稚園には外で働くママさんが全くいないのかと言うと、そんなことはなく、少数ながら働いている方たちもいて、午前中にパートをしているとか、週に数回仕事に出ていて、その間だけ午後の延長保育を利用していることが多いようです。

そして、そのママさんたちに話を聞いてみると、やはり、タイムスケジュールがきついとおっしゃる方が多かったです。

 

幼稚園に送り出してから、自分の用意をしてバタバタとパートに行き、数時間働いてすぐ家に戻ってきて、あっという間に子どもが帰ってきて、午後は子どもと一緒に遊んでへとへとになり、休む間もなく子どもと一緒に買い物に行って、夕食の支度をして、食べさせて、お風呂に入れて…と、ノンストップでくるくると動き続けなければなりません。

 

本当は保育園に入りたかったけど、パートでは保育園に入るための点数が足りなくて、全く入園できるラインに届かなかった、と言っていました。

待機児童が多い地域のため、特に入りにくかったのだと思いますが、ここでもやはり、保育の受け皿の不足が浮き彫りになっています。

 

仕事のほうは、残業は全く無いそうで、そこはすごく助かっていると話してくれました。

 

 

私の場合は、朝7時半頃から18時頃まで保育園で子どもを預かってもらっているので、仕事をフルでした後、残業が発生すれば延長保育を利用することになります。

 

お迎え後は帰ってきて、少し子どもと遊び、夕食は冷凍食品などをフル活用しながら手抜きで作ります。

ちなみに家庭菜園で野菜を作っており、夏はピーマンやナス、トマトなどをちょこちょこと収穫して、忙しくて買い物に行けなくても、なにも野菜が無いという状況は避けられるようにしています。

基本的にお休みの日にまとめて買い物をしておき、平日はあまり買い物に行かなくて済むようにしていますが、どうしても足りないものがあったら、大きい声では言えませんが、少しだけ買い足しのために、お迎えに行く前にダッシュでスーパーに寄ってから、保育園に向かっています。

 

超手抜きの夕食を作って、食べさせるのはだいたい19時頃、お風呂は20時頃になります。

その間も、申し訳ないと思いつつも、子どもたちに急げ急げと急かしまくっています。

 

寝る前に少しだけですが、子どもたちと遊ぶ時間を作っています。

短い代わりと言ってはなんですが、他のことと同時進行したりせずに、子どもと遊ぶことだけに集中しています。

 

お絵かきをする日もあれば、みんなでジェンガをしたり、最近子どもたちの中でブームのしっぽ取りゲームをしたり、DWEで英語で遊んだり、トランプで神経衰弱したり、いろいろです。

 

日が長い夏の間は、保育園から帰ってきてから、少しだけ外に出て自転車に乗ったり、虫を探して草むらを歩いたりもしていましたが、秋から春は暗くなってきてしまって、帰宅後の外遊びは難しくなります。

 

昨日は家の中でキャッチボール(!)をしていたのですが、途中で息子が私に抱き着きながら飛び込んできて、押し倒される形で後ろにすっ転びました。

倒れる感覚がおもしろかったらしく、何度も飛び込んでくるので、息子がケガしないよう、できるだけゆっくり倒れるようにするので腹筋に効いて、私のブヨブヨの腹が筋肉痛になりました。笑

普段どれだけ運動してないんだって言われそうです。

 

 

話を戻しますが、このように保育園に通う生活は、子どもたちとじっくり向き合って過ごす時間は、基本的に夜と休日だけです。

 

私はキャパが狭く、他人より余裕なく、イライラしながら毎日を過ごしていますが、なんとか子どもたちと本気で遊ぶ時間を、ほんの少しですが作れています。

 

本当は、日中明るいうちに外でも遊べたら、子どもたちの寝つきも良くなるだろうなぁとか、運動量が幼稚園通いの子より少ないかなと心配になったりもするのですが、親の精神衛生上は、今の状況が私にとってはちょうどいいのかなと思っています。

子どもの教育の面

そして、教育の面でも、どっちがいいのかなと悩む方は多いでしょう。

 

入園する施設を選ぶ時点で、保育園は幼稚園よりも教育面は劣るなと感じていましたが、これは、保育園だから一概にダメというわけではありません。

保育園の中でも、教育に熱心で、在園中にたくさんの本に出会うことができる園の文庫や、保育内容の充実など、保育園同士でも全く違います。

 

見学した保育園の中で、とても教育面に熱心な保育園があり、卒園までに泳げるようにするとか、園児の制作物もレベルが高く、遊びも工夫が凝らされ、非常に魅力的な保育園がありました。

 

見知らぬ親たちが見学に行くと、たいていは園児が話しかけてきたり、集中力が削がれてちらちらこっちを見てきたりすることはよくあるのですが、そこの園児は見学の親たちがが入ってこようが、今取り組んでいる作業に集中していて、先生の話を聞く態度もすばらしく、できるならここに入りたい!と思い、第一希望で申込しましたが、案の定、見事に落選しました。

 

後から役所で聞いた話によると、その保育園は空いている枠が園全体で数人であるにもかかわらず、重複して申込みしているので純粋な倍率ではないにしても、100人以上が申し込みをしたそうです。

そんなに大勢が申し込むんですから、入れるわけがないですよね…。

 

このように、認可園で待機児童が多い場合はどうすることもできませんが、認可外保育園などの場合は、早めに保活を始めることで、入園が叶う場合もありますので、親の努力で希望の園に入ることも夢ではありません。

 

同じように、オールイングリッシュの保育園など、他の保育園や幼稚園も見学して検討しましたが、保育料の高さ、給食ではなくお弁当が必須のところなど、我が家の経済状況や私のキャパでは続けられないと判断し、最終的にはそれらの園はあきらめました。

 

 

幼稚園はどうでしょうか。

職場の同僚の男性で、奥さんが専業主婦で、お子さんを幼稚園に通わせている方がいます。

 

いろいろな話を教えてくれるのですが、まず入園してすぐ、年少さんの時期では、おとなしく座って話を聞く練習をしたそうです。

立って歩き回ってしまう子どもたちもいるので、そういう子たちにも何度も繰り返し教えて、年中さんではクラスの子どもたちは見違えるように話を集中して聞けるようになったと言っていました。

 

それに比べて我が家の通う保育園では、年中だろうが年長だろうが、全員が黙って話を集中して聞くような場面は、あまり見たことがありません。

必ず誰かがよそ見していたり(これはうちの息子です)、揚げ足を取るような子がいたり、口答えしたり、隣のお友達とおしゃべりしていたり、先生方も、言葉で注意はするものの、そこまで本気で向き合わないというか、やはり教育ではなく保育なんだなという印象があります。

 

小学校に上がってから、出身保育園や幼稚園によって、生活態度や、話を聞く姿勢、集団生活のルールの部分で、差が出てくるであろうことは容易に想像がつきます。

 

 

同僚のお子さんの幼稚園では、課外授業のような形で週に1回、夏場はプールの日や、英語の日、音楽の日など、普段のカリキュラムにはない授業が取り入れられて、非常に充実しているそうです。

 

ちなみに我が家の通う保育園は、クラスでの集団遊びを一日にひとつだけ、もしくは全くしない日もあり、それ以外はブロックなどのおもちゃでずーっと遊ばせていて、正直なところ、保育内容に満足してはいません。

よく言えば、子どもに無理をさせず、ゆったりのびのびと園生活を送ってもらえるのかもしれません。

 

でも、入園時期にもよりますが、義務教育の前の最大で6年間、保育園の場合は特に家よりも長く過ごす場所ですから、毎日の積み重ねで明らかに子どもたちの成長に差がつくでしょう。

 

保育園の年に一回の無記名のアンケートで、保育内容に要望があるかという項目があったので、もっと充実してほしい旨を書いたことがあったのですが、後日園に掲示された回答には、教育は一切いたしませんというバッサリ切り捨てるような回答が返ってきていました。

 

幼稚園ではなく保育園なので、決して、ガチの教育をしてほしいわけではなかったのですが、全く方針を変える気は無いのだなということが分かり、がっかりした経験があります。

 

せめて、丸一日おもちゃでゆったり遊ぶ、みたいな日に、ほんの少しでもためになる内容が加わったら、すごくありがたいのに…と思ったのですが、やはり施設の方針によっては、保護者の意向は全く考慮されないところもあります。

 

 

待機児童が多ければ多いほど、途中で転園したり、簡単に変更するというようなことは難しくなりますし、兄弟姉妹が別々の園になってしまうリスクもあります。

 

せっかく仲良くなったお友達と離れさせることも、子どもがかわいそうな気もして、我が家では転園の申込みをしていません。

 

別の記事でさらに詳しく取り上げますが、幼児教育無償化もあり、公立の幼稚園と保育園では、そこまで大きな金額の差はありませんが、保育内容、教育内容は全く違います。

政府はそこまで知っているのかいないのか…。

 

そもそも、幼児教育とひとくくりにされている面と、保育園では教育はしないと言い切ってしまう面と、明らかな矛盾を感じます。

先生方の待遇が良くなれば、保育内容も良くなるのでしょうか。

仮に今後日本の幼児教育がもっと変化して、良くなっていくなら大賛成ですが、その頃には我が家の子どもたちは既に卒園しているでしょう。

ひとまず、教育格差を埋めるために、家庭でできる学習や、家族で遊びながらルールを学んでいくなど、今できることはそれくらいしか無いのかなと考えています。

家庭学習として、英語教育は我が家でも実際に取り入れていますので、関連記事もぜひ併せてお読みください。

 

まとめ

ここまでだけでも、かなり違いがあることがお分かりいただけたと思います。

 

基本的に幼稚園は教育、保育園は保育ですが、園の方針によって、保育園であっても教育に近いことをしてくれる施設があります。

そしてそれは、実際に見学をしてみて、確認するしかありませんので、やはり保活は重要であり、早めの行動が大切です。

お子さんとの時間や、周りの方々との関係性、仕事の拘束時間など、総合的にご家庭の状況を考えて、どの施設がいいのかを考えていく必要があります。

 

保育園と幼稚園の違いは、他にもあります。

 

長くなってしまったので、費用の違いと無償化について、こども園については別の記事で取り上げていますので、ぜひお読みください。